-日本の着物の今昔-
今回和歌山大学の今村先生のご要請により、日本衣服学会にて「着物の形やデザインが、長い歴史の中でどう変わっていくか」を小袖を中心として発表させて頂きました。

また、十二単も日本の着物文化の中では重要ですので、どのようにして着装ていくのかを披露させていただきました。十二単の下着であった小袖が、華やかに展開して着物になる両者の繋がりに重点をおきました。

江戸時代からの小袖の変わりゆく様
日本の着物の古今(ショー)


 
着付
左:坂本洋子
右:富永臣子
着付
左:比良野多江子
右:坂東昌子
江戸時代後期 (路考結び) 江戸時代中期 (吉祥結び)
現代のお太鼓結びのもととなった路考結び、手とたれを使ってシャープに結び上げた角は、粋さを表現出来るよう注意しました。町人文化を反映した、けだしも特徴の一つです。 体の前の部分の補正と、腰のあたりにある帯の位置、襟のあき等にも着崩れしやすいので気を使いました。この時代の着物には、おはしょりがなく、着丈をモデルさんに合わせる為に帯の下に余った部分を隠したりもしました。
着付:
左:友田久江
右:折田涼子
着付:
左:十河弘美
右:築山路子
桃山時代 (名護屋帯) 鎌倉・室町時代 (細帯び・短裳)
今の着物の着方と違い裾広がりに着せるのが特徴で、身ごろを広く見せる為に、脇線を立たせて身幅を広く見せるところなども気を使いました。 テレビや映画で見るような着物を自分で着付することができてうれしかったです。感動しました。モデルの方にも恵まれ、とても楽しく着付できました。

着付
左:野田
右:荒堀

着付
左:土岐涼子
右:花田節美
現代 (留袖)   現代 (振袖)
格調高く、気品高く見せる為に最前を尽くしました。現代の着付の一番代表的なスタイルなので、逆に失敗ができませんし、気をはりました。   若々しく見せる為に、襟の合わせや、胸の位置、帯の位置を高く見せることに注意をしました。一般的な着物なので他の着付師の方の目が怖かったです(笑)
左:前衣紋者/笹細千代子
右:後衣紋者/水本佳興子
平安時代 (十二単)
一見優雅に見えますが実際は汗だくでした。「風の様に着せて」と教えていただきましたので、お方(モデル)に負担がかからないように何度も練習しました。ショーで実際に着付をしていくので、時間を合わせるのも大変でした。


今回 日本衣服学会に参加するにあたってのインタビュー
要請を頂いた和歌山大学の今村先生と、文化普及協会川内理事長

○日本衣服学会で小袖の歴史を発表するきっかけは
最近ファッションには多くの若い方に興味をもたれていますが、衣服(被服)というものが最近興味を持つ中高生の方が少なくなって来たので、少しでも多くの方にこんなに面白いすばらしい学問であると云う事を伝えたかった。

○何故日本文化普及協会と共同で発表されることになったのか
4年程前から衣服学の勉強の一貫として、もともと着物が好きだった事もあり、着付教室に通っていて、(外国に行く機会が多く、外国に行った時には、自分が日本人であるという事を痛感する事が多く、着物を着たいとすごく思う事があります。そんな時に自分で着物が着られたらいいなと思い、着付を習い始めました。)

認定式やパーティー等で、時代衣裳等を見させていただいていました。そこで、時代衣裳の着付を衣服学会で発表出来ないかと(多くの方に見ていただけないかと)思い、川内理事長に話をさせていただきました。

その後、各時代の代表的な衣裳を専門で研究されている番場先生と、川内理事長とで変遷され、川内理事長がそれぞれの時代衣裳の着装指導されました。


○今回多くの方に学会を通じて伝えるにあたって何が一番大変でしたか?
変遷した小袖を一般の方に、どう伝えれば解りやすいかかなり考えました。今回ショーのメインとなる十二単を他の小袖と、どう繋げるかなども思案したところです。

○衣服学会で発表されることになったきっかけは
今村先生からの要請があったこと、学術的な要請であれば、きちんとしたものを発表したいと思い、衣紋道高倉に入門させていただきました。

○今回の発表で気遣われた点は
各時代の生活を反映した着付を出来る限り忠実に反映させました。大きな特徴としては、古い時代の小袖は、たもとが身ごろにくっついているので帯を下の方で結びます。帯幅も短めです。

時代が変わるにつれ、着物の袖にふりができて、帯の位置が上がって帯幅も広くなってきます。縫製等もこだわって衣装を縫い直しなどして、出来るだけ時代の着方に合った物を見せています。

桃山時代の小袖などは、女性でも立て膝をついて座っていたので、着物の身巾が広い着物、肩幅も袖幅より長い着物だったので、衣装を解いて縫製し直し、襟先も当時はかなり長かったので、現在の着物をそれらしく見せるのに苦労しました。

日本の現代の着物を沢山の方に着ていただきたく、10ヶ月の無料の講習会もやってますが、現代の着物文化を残すと同時に、昔からある日本の素晴らしい文化も知ってもらいたいと思っています。今の若い方々が、新しいファッションを生み出していくヒントになれば嬉しいです。


 
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